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観光・インバウンド翻訳の必要性と訪日外国人が困ることとは?

年々拡大しているインバウンド。日本観光に訪れた外国人にとって一番困ることは、やはり言語の壁と言えるでしょう。訪日外国人にとって「観光・インバウンド翻訳」はどのようなシーンで必要とされているのでしょうか。

観光・インバウンド翻訳とは?

「観光・インバウンド翻訳」とは、観光業における翻訳を指します。なかでも最近よく耳にする「インバウンド」とは、観光業界の言葉で「訪日外国人の観光」を意味しています。

観光業はいまや国内経済の基盤の1つに数えられる業種です。2023年の訪日外国人数は約2500万人を記録しています。コロナ禍でいったんは収束したとはいえ、これほどの人数が訪日しているということは、コロナ前ピーク時の2019年(約3188万人)に追いつくのも時間の問題といえるでしょう。※1

拡大していくインバウンド消費に対応するため、日本の観光業界は外国人観光客の受け入れ態勢を強化しています。そこで日本の観光業に立ちはだかるのが、言語の壁の問題です。全く言葉が通じない環境下で、訪日外国人に日本の風土や文化をストレスなく体験してもらうには、この言葉の壁を取り払う必要があります。

観光・インバウンド翻訳は、この「訪日外国人のストレスない日本の体験」を実現するために大切な取り組みなのです。

訪日外国人が困りがちな場面ベスト3

株式会社地球の歩き方が運営する、訪日外国人向けの情報サイト「GOOD LUCK TRIP(好運日本行)」は、2023年に同サイトの利用者を対象に「訪日中の困ったこと」を調査しました。

「訪日中に困ったこと」の上位3つは以下の通りです。

1位:Wi-Fi環境
2位:施設等のスタッフとのコミュニケーションが取れない
3位:多言語表示の少なさ・わかりにくさ(観光案内版・地図等)

(引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005092.000002535.html

2位と3位を見ると、言語の壁が多くの訪日外国人にストレスを与えていることが分かります。日本滞在時に体験したいことや分からないところがあっても、現地で解決できずに困ったという現状が分かります。

GOODLUCK TRIPの調査によれば、施設のスタッフとのコミュニケーションで困る代表的な例として、飲食店の予約が挙げられています。多くの人が「予約せずに直接訪れる」を選択し、日本語を使う必要の少ない「ネット予約」「日本語ができる人に電話予約を依頼」「ホテルのコンシェルジュや観光案内所に依頼」を選んでいます。「自分自身で電話予約」と回答する人は少数派でした。

この例からも分かるように、多くの訪日外国人が自由に予約を取ることが難しいと感じているようです。

いざという時にコミュニケーションを通じた相談がしづらいと感じさせたままでは、多くの外国人に日本での滞在を遠慮させてしまい、インバウンド消費を減少させてしまいます。

適切な多言語サービスで気持ちの良い訪日体験を

訪日外国人にストレスなく滞在してもらうには、様々なシーンでの多言語化の対応が欠かせません。多言語化の対応には、施設環境の充実と翻訳品質の向上の2点が挙げられます。

施設環境の充実とは、訪日外国人が違和感なく飲食店や公共施設を利用できる状態を整備し、維持することを意味します。外国語を使用できるスタッフを雇うことも方法の一つですが、それ以外にも安心してそれらの施設を利用してもらう方法があります。

たとえば、

  • トイレやレストランの場所を表示するアイコンの設置
  • 外国語でのFAQ(よくある質問)の用意
  • Webサイトの外国語バージョンの作成

などが代表的な対応として挙げられるでしょう。これらが充実していると、訪日外国人は外国語に不慣れなスタッフとのコミュニケーションを取ることなく、安心して施設の最低限の利用方法やマナーを知ることができます。また、現地スタッフの負担軽減にもつながります。

こうした多言語化は、具体的にどのような言語で用意しておく必要があるのでしょうか。JNTO(日本政府観光局)の調査によれば、2023年12月の訪日外国人は、韓国がトップ、続いて中国語圏と英語圏の国が続いています。よって韓国語・中国語(簡体字・繁体字)・英語の4バージョンを用意することが必要だと言えます。※2

また、多言語化が進んでいても、コミュニケーション自体の品質が低ければ意味がありません。そのためにも高い翻訳品質を維持することが大切です。

日本人は外国語でのコミュニケーションを取る機会が少ないためか、公共の外国語表示に稚拙な表現や初歩的な誤りがよく見られるようです。誤った外国語表示や説明は、訪日外国人にとって混乱や誤解のもとになりかねません。

正しい文法と言葉で、訪日外国人の国の文化的背景に配慮した多言語化が実現できないまま、おもてなしを行うことは難しいものです。一定の翻訳品質が保てているかを十分に注意することが、真のおもてなしに繋がります。

翻訳のプロに観光・インバウンド翻訳を依頼しましょう

そういった施設環境の充実と翻訳品質の向上は、施設の独力での実現はなかなか難しいものですね。そんな時、私たちのようなネイティブ翻訳が得意な翻訳会社に依頼するというのはいかがでしょうか。

多言語翻訳に慣れた翻訳会社なら、設置すべき表示の種類やFAQ(よくある質問)の内容など、訪日外国人が求める情報がどういったものかというポイントを押さえているため、施設側の負担を軽減することができますし、品質の高い翻訳サービスの提供が可能です。

観光・インバウンド翻訳を充実させ、訪日外国人に満足してもらうことが実現できれば、良い口コミが広がり、更に客層が拡大する可能性も期待できます。

訪日外国人に日本を満喫してもらうために、観光・インバウンド翻訳は重要な役割を担っています。ぜひ、私たちLTOにインバウンド関連の翻訳について、ご相談ください。

※1参照元(ZAIオンライン)
https://diamond.jp/zai/articles/-/1020586#:~:text=2007%E5%B9%B4%E3%81%AE%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E4%BA%BA,%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%8B%E3%81%AA%E3%82%8A%E6%A7%98%E5%AD%90%E3%81%8C%E7%95%B0%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%80%82

※2参照元(日本政府観光局 報道発表資料)
https://www.jnto.go.jp/statistics/data/20240117_monthly.pdf

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