さまざまな業界でグローバル化が進むなか、ファッション業界もまた例外ではありません。ブランドの情報発信やスタッフトレーニング用など…ファッション翻訳ニーズが上昇しています。種類豊富な翻訳業務のなかでも、特に難易度が高いと言われているのがファッション翻訳です。ファッション翻訳の特徴や、正確な情報を伝えるためのポイントを紹介します。
ファッション翻訳の特徴
ファッション分野の翻訳の特徴は、以下のとおりです。
・言葉を直訳するだけではブランドイメージを伝えられない
・ニュアンスを伝える特殊な専門用語が多い
・歴史や文化、芸術とも密接に関係している
・ファッションアイテム別に異なる専門知識が必要となる
ファッション翻訳の最大の特徴は、「ただ単純に言葉を変換するだけでは、正しい情報が伝わらない」という点です。ファッションブランドにとって何より重要なのは「イメージ」であり、ブランドを彩るあらゆる言葉は、それを構築するための重要な要素と言えるでしょう。直訳するだけでは、繊細なニュアンスやイメージが損なわれてしまう恐れがあります。
またファッション業界には、独自の専門用語が数多く存在しています。翻訳者には業界特有用語に対する、深い理解が求められるでしょう。トレンドとも深く関わっているため、定期的なアップデートも必須です。ブランドヒストリーを伝えるためには歴史に関する知識が必要となります。またアーティストや美術館との関わりから、文化・芸術に関する見識が求められるケースも少なくありません。
さらにファッション分野には、幅広いカテゴリーが存在しています。アパレルはもちろん、ジュエリーや時計、バッグにフットウェア、アイウェアなど…。幅広い商品それぞれについて、専門的な対応を求められるのがファッション翻訳の特徴です。
ファッション分野の翻訳でよくある依頼
ファッション翻訳で多いのは、以下のようなご依頼です。
・プレスリリース
・店舗スタッフ向けトレーニング資料
・ウェブサイト、SNS更新
・雑誌記事
・CEO/デザイナーインタービュー
・イベント、展覧会関連資料
ファッションブランドが世間からの注目を集めるために重要なのが、プレスリリースです。新商品や新コレクション、キャンペーンにアーティストとのコラボレーション情報、ブランドアンバサダーの起用など…。ブランドニュースの発信に、プレスリリースを活用する企業は多いでしょう。より正確な情報を伝え、ブランドイメージを広げるためには質の高い翻訳が必須です。
またグローバル化が進むなか、外資系ブランド店舗で働く日本人スタッフ向けの資料を必要とするケースも少なくありません。高品質な翻訳が、ブランドの歴史やビジョン、哲学などを正確に把握するための一助となるでしょう。
インターネットが発達した今、ファッションにまつわる情報を発信する手段は多様化しています。どの方法を選択する場合でも、正確かつ迅速な対応が重要です。
ファッション分野の翻訳で大切なポイント
翻訳業務のなかでも、特に難易度の高いファッション翻訳。より精度の高い翻訳を行うためには、以下の3つのポイントを意識するのがおすすめです。社内で対応する場合はもちろん、外注先に依頼する場合のコツとしても、ぜひ意識してみてください。
イメージに沿った表現を選ぶこと
ブランドイメージをより正確に伝えるためには、トーンや単語・表現の選び方が重要です。ブランドに相応しい文体を選択しましょう。同じような意味の翻訳文でも、受け取る側の感じ方は大きく変わります。
しかしながら、どのようなトーンや単語・表現を使えばブランドイメージを正しく伝えられるのか、判断するのは簡単ではありません。社内で翻訳対応する場合は、対象言語について深い見識を持つスタッフに担当させるのがおすすめです。翻訳会社に外注する場合には、トーンや単語・表現が持つ詳細なニュアンスまで理解できる、ネイティブ翻訳者に依頼すると安心です。
事前リサーチをしっかりと行うこと
ファッション分野の翻訳には、事前リサーチが必須です。ブランドや翻訳対象文書に含まれるアイテムについてはもちろん、歴史・芸術・技術に関する基礎知識も必要になるでしょう。たとえば、宝石の翻訳には歴史や芸術に関する教養が欠かせません。時計に関する文章では、技術に触れる内容も多くなるでしょう。翻訳担当者が、十分なリサーチのうえで知識を踏まえて対応する必要があります。
翻訳会社に依頼する場合も、同様の点に注意しましょう。過去にファッション翻訳を数多く手掛けており、確かな実績を持つ会社に依頼するのがおすすめです。どういったポイントを重視して翻訳してほしいのかなど、事前の打ち合わせもスムーズに進められるでしょう。
ブランド独自のこだわりをはっきりさせること
ファッション翻訳でもっとも重要なポイントは、ブランド企業のイメージを正確に伝えることです。そのためにも、ブランドがどこにこだわりを持っていて、どのようなイメージを発信したいのか、作業前にはっきりさせておく必要があります。ブランド独自のこだわりがあっても、言葉で明確に定義しないまま、翻訳作業を進めてしまうケースも少なくありません。翻訳前後で、齟齬が生まれる恐れがあります。
翻訳会社に外注する場合は、ブランド独自のこだわりをしっかりと理解してくれるかどうかを重視してください。理解したうえで指示に従って作業してくれる翻訳会社であれば、イメージどおりの仕上がりに近づけられるでしょう。
ファッション分野の翻訳ならLTOへ
ファッションに関する翻訳の依頼先に迷ったら、ネイティブ翻訳者による翻訳サービスを提供するLTOにご相談ください。外資系高級ブランドを含め、多くのクライアント様よりご相談いただいております。和英・英和・仏和・和仏の言語ペアは特に得意な分野であり、イタリア語やスペイン語の案件にも携わっています。また、最近は中国語(繁体字、簡体字)と韓国語のファッション関係の翻訳案件が増えています。
以下、LTO翻訳者からのコメントをご紹介します。
「ファッション関係の翻訳経験は20年以上。ファッションは、時代や社会と連動しているので、服やアクセサリーだけでなくトレンド、アート、エンタメなどのニュースも興味を持ってチェックします。各ブランドの歴史や背景、メッセージを理解したうえで、的確な日本語に反映させることが大切だと思います。」
「ファッション分野の翻訳に携わって15年余り。言葉の感性を大切に、リサーチを徹底してブラッシュアップを重ね、伝わりやすい訳文になるように心がけています。」
この分野において数多くの翻訳実績を持つLTOには、ファッション分野に詳しい翻訳者が揃っているのが強みです。さまざまな言語・ファッションカテゴリーに対応可能なため、まずは一度ご相談ください。
「ファッション、革製品、ジュエリー、香水、時計等を扱うラグジュアリーブランドのプレスリリースの翻訳に携わるようになって20年以上となります。 ブランドイメージを尊重する必要がありますので、ブランドの日本語ウェブサイトを拝見して、言葉の使い方等を把握するように努めています。人名、地名、製品名等をどのようにカタカナ表記するのについても、ブランドの日本法人の方針に従う必要があります。用語集を用意しているブランドもありますが、そうでないブランドもありますので、その場合はウェブ上に残された既存の日本語プレスリリース等に目を通して判断するほかありません。一番難しいと思うのは、製品の描写です。言葉だけですと、どのようなデザインであるのか把握しきれないことがありますので。
最後にもう一つ、正確で誤訳がないことは無論のこととして、他分野の翻訳以上に日本語としてこなれた訳文でなくては、と心がけています。」